「困ったガラクタ」とのつきあい方―ミラクル生活整理法

「困ったガラクタ」とのつきあい方―ミラクル生活整理法

この手の本を、文字だけで理解するのは結構たいへんかも…
でも、読み応えたっぷりでした



はじめに

 本書では、即席の整理術や解決策は扱わない。また、これまでの経験上、インスタントの整理法では、心の奥底の願いはかなえられないこともわかっている。だから、あなたの目に触れる環境が、生活整理と同時進行であなたのこやしとなるように、身のまわりのモノたちとの関係を変えてしまう方法を提案する。関係が変わると、人生を妨げるものがなくなり、運をひきつける。そして、クリエイティブな意欲が湧き、心が満たされる。
 どんなことであれ、今までのやり方を変えるとなると骨が折れるものだ。しかし、人生を豊かにするためにはあえてその道を通らなくてはならない。がんばるだけの価値はある。人生を一新させるのだから。
 雑多なものを片付けるとは、一種の〝人生ダイエット〟と思ってもらいたい。経験済みの人も多いと思うが、ダイエットを長続きさせたければ、自分の体質に合った食事と運動の方法を見つけ、それを生活習慣に組み込む以外にない。逆に、習慣にしてしまえば、健康と引き締まったボディラインを維持できる。
 また、いったん生活整理に乗り出したら完了するまで突進しなくてはならないというものでもない。なぜなら、どうあがいても片付けものに終わりはないからだ。余計な荷物のない人生を送ると固く心に決め、その気持ちをもちつづけること。そして、コンスタントに実践していくこと。そうすると、ますます運をひきつける。生活整理のひとつひとつのステップを結果と同じくらい大事と思い、プロセスをなおざりにしないよう心がけてほしい。  (14〜15p)

持ち物を点検していくうちに自分が本当にやりたいことがあぶり出される。生活整理とは、自分は何もので、どんな人生を望んでいるか知ることでもある。  (15p)

ともかく、肝心なことは始めること。   (16p)

パート1 準備編
第1章 なぜモノはたまる?

ごみの量は、あなたが問題を無視した時間量に反比例して増える。だから、さっさと行動に移る。そうすれば、ごミの量が減るほどに、あなたの不安もだんだん小さくなっていく。    (25p)

ものごとは、ひとまずわきへどけてしまう前に、決着をつけるべく建設的にアプローチすべし。そうすれば、モノではなくあなたの自信が増える。 (27p)  


第2章 生活整理はゆとりづくり

◎コラージュ・エクササイズ

  • 種類の違う雑誌を何冊か用意する
  • パラパラとページをめくり、知的な興味であれ、第六巻であれ、ピンときた箇所をクリップする
  • 何冊か雑誌をめくり終わったら、クリップしたものを床やテーブルの上に並べてみる。ついで、大きな画用紙や模造紙の上に置き換えて一つのイメージをつくる。一枚の紙にクリップしたものをすべて並べてもいいし、私生活のこと、仕事のこと、あるいは自分の興味の分野ごとと別紙を使っていい。紙の上にどうイメージを配置するかは想像力しだい
  • 終わったら糊を塗って固定する。

コラージュをつくってみると、自分の胸の奥深くに隠れている意識があぶり出される。


第3章 アクション・プランをつくる
◎目録を作る
すべてを洗い出す
この時点では、片付けたり、モノの取捨選択にかからないこと。チェックするにとどめる
点検もれのないように、どこもかしこもまんべんなく調べる
目録づくりとは、いわば実態調査である。これは、だらしない自分を恥じたり、現状を嘆くためのものではない。感情抜きにビジュアルなメモをとるつもりでおこなう。
◎日誌をつける

  • 日誌は、整理の最中につまずくようなことがあれば、自分の考えや気持ちを書いて吐き出すのにいい。書き連ねていくうちに焦りがおさまったり、心の重しがとれることもある。
  • 日誌の効用はほかにもある。生活整理と並行してあなたの人生に訪れるなんらかの変化やできごとを書き留めていく。そうすれば、自分を取り巻くモノたちとの関係を変えることと、あなたの人生の別の場所で起こっている動きとの相関関係がはっきりするだろう。
  • 生活を整理してゆとりをつくる目的について記録しておくにも日誌はいい。
  • 生活整理のスケジュールについて記録を残しておくのにも利用できる。
  • カレンダーをはさんでおき、スケジュールはもちろん、1回ごとの進展状況を記入してもいい。

◎写真で記録
作業の進展状況を写真で記録すれば、モノの乱雑さかげんを現実的にとらえられる。いってみれば、持ち物目録のビジュアル版である。
モノに埋もれた状態で身のまわりを眺めても全体像はわからないが、写真で見ればどれほどの量のものが散乱しているか冷静につかめる。

◎ゼロ遅滞までのタイムテーブル

  • モノの取捨選択をしてすっかり整理をつけるのにどれくらい時間がかかるか見積もる
  • 全体の整理をつける時間をはじき出すのがむずかしければ、ひと部屋ごと、あるいは特定の場所や分野など、狭い範囲に限定して試算すればいい。狭いエリアでも一度すっかり片づければ、次のゴールを定めやすくなる。そして順々に全体の時間を割り出していけばいい。
  • 時間のかかりぐあいは、いくつかの要素が重なって決まるものだ。

・ためこんだモノの量
・整理に費やすセッション(時間)の回数と一回の長さ
・作業中の休憩の頻度と時間
・整理にたいする集中力と作業を遂行する持久力
・成果を出したいという思い入れの強さと深さ
・あなたの人生に今後起こる〝ミラクル〟を受けとめる力
など…

ともかく、目標時間をはじいてみることだ。例え時間内に終わらなくても、それは生活整理の失敗ではない。単に作業にかかる時間的な目算を誤っただけのことだ。生活の整理をつけようと言うときに、精密に時間をはじき出せるものではない。必要とあれば修正すればいい。

◎整理セッションのスケジュールを組む

  • 作業にあたっては、いま15分、あとでまた15分と細切れに時間を割くのでなく、かならず一定時間をまとめてとる。生活整理に係ると見積もった期間中ずっと、隔週につき一度はまとめて4時間の整理セッションを割く。
  • 整理セッションと決めただけの時間を割く方針を自分に厳しく課して貫けば、長い目でメリットがある。継続は力というわけだ。
  • 作業にあてると決めた時間は、侵すべからざる時間とみなし、自分を大切にするのと同じくらい大事に扱わないといけない。
  • 決めた時間枠きっかりに作業を終了することもたいへん重要だ。

●生活整理を開始する時点で、理想の人生が明確になっていれば、なにを捨ててなにをキープするか選択しやすい。
作業を開始する前に、一時間ほどかけて以下をじっくり考えてみる
仕事、個人的なこと、経済問題、家族のこと、パートナーや恋人との関係など、あなたの心の願いとは?
●「いったいなんのために生活を整理してゆとりをもとうとしているのか?」この答えをひとつでも出せるなら、あなたは過去ではなく未来のために生活を整理できる。
●心の願いを明確にしたら、アクション・プランをつくる。自己嫌悪はさておき、自宅巡りツアーを行い、とびぬけて乱雑なスポットを洗いだす。
作業のあいだじゅう日誌をつけ、また作業の最初と最後に写真をとっておけば、最後までやりとげるための比較材料になる

短期と長期のスケジュールを組むこと。
作業を開始する場所を選びだす
ここまでくれば始められる

パート2 実践編
第4章 よろず整理の鉄則
1一度にひとつ
「なんじ、一度に扱うはひとつとすべし」
モノを整理すると思っただけで途方にくれる人は多い。あまりの大仕事に見え、残りの一生をかけてもいらないものを捨てられないのではと不安にかられ、逃げ出したくなってしまう 
ごったがえしたモノたちの山の向こう側へたどり着くには、一度にひとつずつ処理して進むほかない。どんなモノでも、捨てるかキープするか決断する前には最低30秒の思考を頂戴するに値する
※一度にひとつ方式とは、ひとつのモノを一度しか扱ってはいけないということではない。ここをまちがえないでほしい。モノそれぞれの最終的な安住の地を決定するまでは、何度でも扱ってしかるべきとわたしは言いたい。

2すべてのモノに進路をつけ、しかるべきルートにのせよ
お荷物ナシになる秘訣は、あなたの持ち物と人生をひとつの方向へ向かわせるということだ。あなたの人生行路が変われば、書類や衣類をはじめ、さまざまな持ち物もおのずと変化する。どこになにをおくと決め、それにこだわって流れをよどませるより、モノたちにはあなたを進むべき方向へいざなう道具の役を演じてもらうのだ。

3リバウンドさせるなかれ
整理の作業中ずっと、いったん空けたスペースに二度とモノを置いてはいけない。
片づけていない場所ならいくらでもモノを散らかしていいが、ひとたび片づけた場所は決して侵してはならない
すでに片づけた場所を二度と片づけなくてすむなら、片づいた状態がくっきりする
なにもおかないことで片づけた場所に敬意を表すなら、あなた自身が散らかし屋の甘えを抜けられる
生活整理の道中であと戻りするなかれ。余計なモノを取捨選択してスペースを空けるよう、ひたすら突き進め

4関連収納、似たもの同士、似たものエネルギーは寄せて集める

5作業の途中で休憩を

6なにモノもゆるがせにせず、一度はひっくり返すべし
あなたと生活や仕事をともにしているすべてのモノは、原因と理由があってそこにある。つまり、あなたを取り巻くモノたちは、ほかの誰でもない、あなたが望んだからそこにいる。それぞれのものは、それなりのメリットがあるとされ、また、あなたの将来のためになるとそこの場所を占めている。
どんな小さなモノであれ、仕分けられないとあきらめてわきへ押しやってはいけない。最後に残ったモノが、ゴミ箱の中へ消えるか、進むべきルートにのるか、あるいは落ち着き先に収まるまで、あなたは作業中ずっと手も気も抜いてはいけない。

7儀式をもってケジメをつけよ
生活整理の目的は、何でもかんでも捨ててしまうことにはないが、どうしても処分すべきものは出てくる。
処分の意味を辞書でひくと、「ものごとのカタをつける」「折り合いをつける」「生前と分類する」「最後の始末をつける」などとなっている。つまり、ごたごたを片づけると同時に生活の質を高める意味もあるわけだ。だから、ごたごたが片づくということは、祝う理由にこそなれ、恥じる理由ではない。モノはうやうやしく捨て、儀式をもって抹消記念とすべし、である。
雑多なモノのなかでクズでしかないものに出くわしたら、惜しみなく捨てること。お払い箱と決定したモノは、遠慮なく破り捨てる。名残惜しいモノの場合は、情をかけつつ別れを告げる。

8空けば埋まる
大きなゴミ袋となって負のパワーの名残りがあなたの人生から運び出されると、いくつもの広々とした空きスペースができ、自分の肥やしになる環境の恩恵にどっぷり浸かれる。とはいえ、最初のうちは慣れない空きスペースが寒々と見えて、不気味にさえ感じられるかもしれない。しかし、自然は真空状態を嫌うもの。空きスペースもいずれはモノで埋まるのが自然の理だ。
空いたスペースをなにが埋めるか、ある程度見当がつく人もいるだろう。なぜなら、なんのために空きスペースをつくるか、最初に目的を明確にしているからだ。むしろ、幾つものゴールを達成するめどがついて、われながらびっくりしてしまうことのないように。生活を整理した副産物として悟ることのうちには、余計なモノを排除した空間から出現するいちばん厄介なものはあなた自身だと気づくことも入るのだから。
これからの人生にふさわしいもの、そうでないもの、さらにあなたを取り巻いているべきもの、そうでないもの、と選択していくうちに、本当のあなたの姿が浮かび上がってくる

9ワンステップごとに自分をほめる
ひたすら前だけを見て、やり残している仕事の多さを嘆く代わりに、1回ごとの作業の最後にほんの数分でいいから片づいた場所を眺め、われながらがんばったと自分をほめる。

第5章 書類整理の下準備

第6章 衣類の攻略

第7章 モノ別整理テク

第8章 部屋別整理テク

第9章 人生の転機で

パート3 お荷物ナシの人生
第10章 生活整理とうまくつきあえば

あなたを取り巻く環境を人生の変化や動きと一にするひとつの方法が、季節ごとに書類や衣類を整理する時間をつくることである。いつしようと決め、自分のスケジュール表に記入しておく。

第11章 時間上手は人生上手
◎スケジュール帳

  • スケジュール帳があると時間の使い方がうまくなる

余計なモノを一切もたない状態をあなたの自宅から世間にまで広げていく格好のホームベースを与えてくれるのだ。指揮者が指揮棒を使うようにスケジュール帳を使えば、同じアクションを起こすのでも、大胆さのなかに柔軟さをもたせることができる。

  • いくつかの場所を例外として、スケジュール帳は常時持ち歩く

いつでも参照できるように持ち歩くと、人と会う約束をつくりやすい。また、約束を二重につくってしまうこともないので、誰かに再度連絡をとったり、約束を宙ぶらりんにしなくてすむ。自分が送りたいと願っている日々を築くようにスケジュール帳を活用すること

  • スケジュール帳の体裁が整ってきたら、こなせるかどうかを基準に予定を入れていく

人は、よく考えもしないで予定をずらしたり変更したい誘惑にかられる。しかし、お荷物ナシの人生を送るためには、ものごとは二度ほど考えてみなくてはいけない。あなたが送りたいと望み、しかもその方向に向かいつつあることが反映されたスケジュールを組むなら、それは天気や気分や他人の顔色に左右されるものではないだろう。たとえ近道、障害物もしくは妨害にあうことがあっても脱線せず、やるとみずから宣言したとおりに実行し、あるいは予定したとおりにその場所へ行く。〝緊急事態〟や〝仕方ない問題〟が最小になるようにすることだ。
毎日ストレスを感じすぎるようなら、それは何かを変えよというシグナルだ

◎リスト
リストというものは、人を束縛するだけで、それも「その程度じゃ足りない」といつも人を追い立てるものだ

今日やることリストに切り替える
・その日のうちにやるつもりのことだけをリストする
・頭を空っぽにする
・なにかをやるような気分でないときは、考えず、アクションに集中する
 やりたくないことでも、感情を抜きにしてリストの上から下へ順序よくこなしていく
**一日のうちにやれる範囲のごく現実的な項目数を超えてリストしないに!!
※特定の関心事や目標にかかわる「やるべきこと」でもっと長めの未整理リストは、それ相当のファイルに収納していいだろう。そして、日々の行動計画を立てるときの参考資料にすればいい

「やるべきことリスト」は、なんでもかんでもただちにやり終えるべきだという錯覚もしくは強迫観念を与える。ところが、スケジュール帳にやるべきことを書き込むと、ある程度の期間内に実行すればいいと焦らなくなる。よって、やるべきことをやり遂げる見込みがずっと確かになる。

第12章 家へおいでよ

★★☆60〜62p・157〜160p・193〜194p コピーとって実践!☆★★