「忙しい」という人ほど、実はヒマである理由~よけいなモノや考えはあなたの人生から幸福を奪う~

「忙しい」という人ほど、実はヒマである理由~よけいなモノや考えはあなたの人生から幸福を奪う~


いつ終わるかわからないから「忙しい」
仕事ができる人は、仕事に取りかかる前に「段取り」と「優先順位」を考えます。
その仕事を遂行するためにはどんな準備が必要か、どのくらい時間がかかるのか、なにからはじめたらよいか、どう進めれば効率的かを事前によく考えるのです。  (中略)
忙しい人は、この「段取り」と「優先順位」を考えずにいきなりはじめてしまうのです。
ですから、その仕事がどの喰らいかかるかわかりませんし、いつ終わるのかもわかりません。行き当たりばったりではじめるので、ムリやムダもたくさん生まれます。ほかにしなければならない案件が発生すれば、何も考えずにそちらを優先したり、手つかずのまま後回しにしたりします。
こんなふうに、漫然といつ終わるのかもわからない仕事をしていたら、忙しい「ような」気分になるのも当然です。また、後回しにした仕事がどんどんたまって、そこからほころびが出てミスも生まれます。
ですから、どんどん空回りして自然と「忙しい」「忙しい」が口癖になるのです。でも、かけた時間のわりに、成果がともなわないのです。(30〜31p)

「伝える力」が弱いと、忙しくなる
忙しい人は、コミュニケーションがとても下手です。
忙しい人は、「伝え方」がとても下手なのです。
相手に気持ちを考えず、物事をいい加減に伝えれば、後からトラブルになったり、結局やり直すハメになったりして、結局また忙しくなります。
また、忙しい人は、人を育てるのが苦手です。
忙しくない人、つまり自分の時間をもっとつくりたいという人は、人に仕事を振るのがうまいのです。自分ですべて抱え込んでしまったら、自分の時間がなくなるのですから、部下や後輩をうまく使う術を考えるようになります。部下や後輩を育てることで、自分の仕事が楽になることを、よく知っているのです。
忙しいときには、自分の力を過信せず、ほかの人に協力を仰ぐ。そして、人を上手に使うためには、「伝える力」が必要なのです。(32〜33P)

どんなことにも「セルフ締切り」を設定する

仕事のできる人は、どんな小さな仕事でも「締切り」をつくります。
とくに締切りがない資料作成や企画書作成であっても、セルフ締切りを設定します。メールチェック、新聞を読む、コピーをとるなどの、一見ささいな仕事であっても、意識を持って行動します。
また、早めの「セルフ締切り」をつくります。

ぎり切りでいいやという考え方では、万が一ほんとうの締切りまでに終わらない可能性もありますし、あせってミスも増え、まわりに迷惑がかかります。(42〜43p)

他人投資のススメ

一緒にいると楽しい、勉強になるというようなプラスの時間は、与えてもらうばかりではダメ。自分自身が相手を楽しませる努力をすることも必要です。
相手を楽しませたり、くつろがせたりして、プラスの効果を与えてあげること。これが他人投資です。
リターン(見返り)を求めるのは投資の基本ですが、他人投資に、物質的な見返りを求めてはいけません。相手にプラスの効果を生む。つまり、相手に喜んでもらうことをうれしいと思う気持ちを育てることが、他人投資なのです。
他人投資は、奉仕や献身ではありません。人に何かをしてあげるとき、「奉仕」と思えば、自己犠牲に気持ちがともないます。損得抜きで、人によろこんでほしいと思える人間になることです。  (177〜178p)

幸せは、足していくことばかりではありません。お金をかければいいというものでもありません。ゆとりある人生を歩んでいくためには、引かなければいけないことのほうが多いくらいなのです。
表層的なもの、目立つものばかり追い求めていたら、本質が見えなくなります。

健康で食べものがおいしく食べられる、寝るところと着るものがある、打ち込める仕事がある、ときには好きなことをする時間がある。あとは家族やまわりの人が幸せであれば、それで十分です。

いまある幸せを大切にしましょう。
そして、自分だけの幸せをもたらしてくれる時間を、ぜひたくさん見つけてほしいと思います。  (198p)