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フィンランド式キッズスキル入門―実践例から学ぶ子育てストレスが軽くなるコツ (学研新書)
- 作者: 佐俣友佳子
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2009/07/01
- メディア: 新書
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核家族のせいだ、インターネットのせいだと原因を追究しても、目の前の問題は解決しません。子供と向き合う上で大切なのは、なぜかと問いただすのではなく、どう解決するかに焦点を当てること
原因とは過去のものですが、解決方法は未来にあるものです。子どもは大人に比べて少ない過去しか持たない一方で、大人よりもはるかに大きな未来を持っているとも言えます。子どもたちの解決方法はひとつではなく、たくさんの方法や可能性があり、それは子どもたち自身で選んでいくことができます。子どもの豊かな想像力を過去ではなく未来に向けることで、数多くの選択肢を手に入れることができるのです。
どんな自分になりたいか、どんなよいことが待っているか、キッズスキルでは問題が解決したときの自分の姿を想像させます。そしてそのためにはどうすればいいか、何をするのが効果的かを自分達で考えます。希望や期待で胸をふくらませて想像することは、問題解決だけでなく、心の成長にもつながると考えています。
解決志向アプローチの利点は周囲の大人にもあります。未来の可能性に目を向ければよいのですから、子どもや自分、あるいは周囲を責める必要がなくなります。みんなで協力して心穏やかに子どもの成長を見守ることができます。
キッズスキルのスキリングは解決志向アプローチに基づき、焦点はあくまでも解決方法に当てて進めていきます。 (42〜44P)
キッズスキルでは、子どもの問題行動や悪い癖は、何か欠けているスキルがあるために起きると考えます。かけているものを補うためにはどんなスキルを学べばいいか―高官が得ると、スキリングがしやすくなります。
- 間違った行動を「やめる」のではなく、「代わり」に正しい行いをする
- 「〜をするな」ではなく、「〜をしよう」と言う。 (51〜52p)
親子の話し合いのポイント
-何かをしながらではなく、きちんと話し合いの場と時間を設定する
- 相手の目を見て話す
- 一方的に伝えるのではなく子どもの意見に耳を傾ける
- 大人が気持ちを伝えるたびに必ず「あなたはどう思う?」と聞く
- 子どもが何かを訴えてもすぐに否定せずに、まず共感を示す (55p)
キッズスキルの15ステップ
1問題をスキルに変換する
問題を乗り越えるためにどんなスキルを見につける必要があるかを考える
2学習するスキルを決める
子供とよく話し合い、どのスキルを学習するかを決める
3スキルを学ぶことの利点を探る
スキルを見につけたらどんなによいことがあるかを子どもに気づかせる
4スキルに名前をつける
子どもに好きなスキル名をつけてもらう
5味方になってくれるヒーローを選ぶ 動物やキャラクターなど、スキル学習を助けてくれるヒーローを選ばせる
6サポーターを募る
スキル学習を応援してくれる人たちにサポーターをお願いする
7自信をつける
スキルを見につけるための自信をつけさせる
8お祝い会を企画する
スキルを学べたらどんなお祝いをしたいか、事前に計画を立てる
9スキルを明確にする
スキルの練習の方法を子どもと話し合う
10学んでいるスキルを公表する
スキル学習の内容を、周囲の人たちに知らせる
11スキルを練習する
実践してスキルを身につける
12リマインダーを作る
スキルを忘れてしまった場合に、思い出す方法を考えておく
13お祝い会を開く
スキルを学べたらお祝い会を開き、周囲の人に感謝する場を設ける
14スキルをほかの人に伝える
自分が学んだスキルを周囲の子にも伝えるよう促す
15新しいスキルを決める
次のスキル学習は何にするかを子どもと話し合う