わが子を「メシが食える大人」に育てる (ファミリー新書)

わが子を「メシが食える大人」に育てる (ファミリー新書)

「叱られた人間の脳はやる気をなくしてしまう」→これで、「勉強嫌いの子」誕生!
            ある有名な科学者の指摘 (37p)

「メシを食っていける」ために欠かせない5つの基礎力
①ことばの力…人のいっていることや文章を的確に理解してポイントをつかむ力と自分お考えを的確にわかりやすく相手に伝えたり表現する力

②自分で考える力…勉強でも日常生活でも、自分なりに考え、判断する力。これまで身につけた知識や技能を活用する力。物事を筋道を立てて考える力。

③思い浮かべる力…具体的なものや事象だけでなく、人の心など抽象的なこともイメージできる力。細かな点だけでなく、全体も俯瞰して見ることができる感性。

④試そうとする力…興味・関心のあることや面白そうなことにチャレンジしたり、与えられた課題を解決するためにさまざまな方法を試そうとする意欲。

⑤やり抜く力…一度決めたことを、多少の困難が会っても最後までやりぬこうとする力。やり始めたことに集中して取り組む力。コツコツ続ける力。
       (42-43p)

46-47p俯瞰図   
50p5つの力の連動イメージ


ことばの力―すべての学力と知性のベース

音読ゲームに挑戦
ルール―途中、使えたり読み間違えたりしたら減点1。

日記を書く
1行でも2行でもいい。
自分が体験したこと、自分がいいたいことを、自分のことばで書き続けることが大切
       (59-63p)


自分で考える力―思考のエンジンをぐんぐん回す

考える力はまず「考えようとする意欲」から

各教科の学力を底上げする「考える力」
【算数】手を動かしながら考える  積み木・パズル・折り紙・粘土etc…
【国語】一行読書ノートで意欲が向上
【理科】日常生活の「不思議」が力をつける
【社会】点と点をつなぐ喜びを教える
 「どうして?」「なぜ?」と想ったことが、他の学習内容と結びついたとき「わかった!」という一種の快感が生まれます。それが、新たな学習内容への関心の扉を開くのです。                  (91-92p)

身につけさせたい「しつこい思考力」

子どもの「なぜ?」「なぁに?」には必ず答える

自分なりの考え方ができる子にするには?
ちょっと変わった言い方をしたら褒める
自分なりに考えたこと、自分なりに感じたこと、それを口にすることに高低間がもてます。
良質な驚きと感動が「考える力」を育む
思考はリクツよりも心の動きに刺激される
「ひゃーっ」という感動体験
考える種をまいてあげる
・不思議な現象をみたときの「えっ!」という驚き
・悔しい思いや、悲しい思いをしたとき

       ↓

   心の大きな動きを誘発

理由をリクツで考える以前に、情動の揺さぶりが起きている    
想い浮かべる力―魅力的な大人にするために

想い浮かべる力とは、たんにイメージを想起する力ではなく、想起したイメージに、何かしら自分の思いや思考を重ね合わせる力です。それができるのは、子どもが成長してからずっあと後の話ですが、しかしイメージは確実に残り続けるのです。
さまざまなイメージを心に残す生の体験は、心の揺さぶりとともに、成長に結びつくさまざまな価値観をこどもに与えます。
ですから、こどもには、いろいろな体験をさせてあげてください。
どのときの感動を、こどもがあとでなんと表現するかは、それは子供に任せていいのではないかと思います。      (128p)

試そうとする力―人生を切り開いていく底力

NGワードは、子どもをただ萎縮させてしまうだけです。
低学年のうちは、とにかく自己肯定感をもたせることが大切です。少しでもいいところがあれば、そこを褒める。今回はダメでも、「この次、頑張ろうね」と期待をかけてあげる   (157p)

子どもの試そうとする力は、母親の心の安定から

東大生へのアンケート調査結果(子ども時代について)
・小さいころに、親に「勉強しなさい」といわれたことがない
・母親がいつもニコニコしてい

母親がいつも笑顔でいられるということは、心が安定しているからです。
安定していれば、余裕も生まれます。
余計なひと言も言わなくてすみます。
母親の心の安定感は、子どもの安心感を生みます。それは、母親がいつもにこやかに見守ってくれているという安心感です。何をやっても、そこに戻れば安心できるという、心のよりどころです。          (160-161p)

小さなことでも、できたときはとにかく褒める
自己肯定感をもつことの大切さ

追い求める結果は、振り返ってみれば〝小さな結果〟でしかない、どこを到達点とするかによって、結果の重みはどんどん変わる。つまり、あくまで相対的なものでしかない。
親が。、「結果」にとらわれない姿勢をもつと、子どもの心にも自由度が広がります。もともと〝試したがる動物〟なのですから、いろいろなことをしたがります。そのノリを大事にしてほしいのです。       (163p)


お手伝いでは自分なりに工夫させる

やり抜く力―力強く、たくましく生きるために

食い下がるしつこさとしての「やり抜く力」

やり抜く力には、シュエンジンとしては、やり抜いたときの大きな喜びである達成感があり、補助エンジンとして、困難が立ちはだかったときの忍耐力があること           (173p)

   

「本当に納得するまで食い下がり、自分で解くことにこだわるしつこさは、多少の頭の良さなどはるかに凌駕する」


やり抜く力は、体験の量によって強化される後天的な力です。ここが、生来的に気質としてもっている試そうとする力と大きく違うところです。たとえ、お父さんやお母さんがどんなに優れた知性の持ち主でも、やり抜く力は、達成感と耐える機会を体験させなければ育んでいくことはできない   (174p)

やりつくす感覚を身体で覚えさせる

ヘトヘトになる親の姿を見せる

小さな成功体験の積み重ねが大切

誇れる体験が成長のバネになる
やり尽くすから、やり抜くステージへ

やり尽くす感覚をたっぷり味わい、さらに、もう一つ上の意思的にやり抜く感覚を身につけていくには、その達成感の繰り返しが欠かせません。
お手伝いでも生活習慣でも、「できたこと」はどんどん褒めて、ことばを投げかけてあげてください。やり抜く力は、そうした〝小さな達成感〟を日常生活のなかで積み上げていくことによって、どんどん力強さを増していく  (188p)

いつまでも子どもに万能感を根づかせない

ダメなときはダメとピシャリという

やり抜く力をつけるために、日ごろから〝小さな達成感〟を味わう体験を積ませる。それが前向きな姿勢を育むサポートだとすれば、一方で抑制的な働きかけも親としては心がけなければなりません。
耐える力をつけるためです。社会人になったときに、ちょっとした困難で、心がポッキリと折れるような子にしないためです。
もっとも大切なのは、小さなころに「万能感」を根づかせてしまわないことです。
万能感とは、自分は何でもできるという感覚です。もともと、子どもは万能感に包まれて生まれてきますが、親子関係のなかでは、自分が望めば親は何でもかなえてくれるという意識が生まれてきます。
しかし、乳児期から幼児期に入ったころには、「自分のわがままにも限りがある」ことを教えていかなければなりません。その万能感の喪失が上手くできなかった子が、いわゆる〝自己チュー〟になってしまうのです。
原因は、やはり大人たちの甘やかしです。象徴的なのが、ムダな買い与えです。親だけでなく、祖父母も加担する場合もあります。

物欲と金銭欲というのは、人の心をだらしなくさせてしまうものです。金銭欲のない子どものころは、物欲がもっとも注意すべき欲望です。
いくら欲しがっても、「ダメなものはダメ!」とピシャリと言い切る親の毅然とした態度が、子どもに耐性をつける第一歩
   (189-191p)

見逃しの罪が子どもを甘やかす

自分に甘い人間にしないために
目の前の課題をやり抜くために、多少の困難にも負けない心の強さ。それを根付かせていくためには、子どもがくじけそうになったときに、親としてあえて厳しい態度をとるべき場面も出てきます。   

つい1回わがままを許してしまうことで、子どもの規範意識がガラガラと音を立てて崩れてしまいます。私はそれを「親の見逃しの罪」といっています。
親のたった一度の〝見逃し〟は、子どもの将来にとって大きな禍根を残す結果になりかねないのです。ひと言でいえば、自分に甘い人間にしてしまうということです。       (192-193p)