「氣」の威力 (講談社+α文庫)

「氣」の威力 (講談社+α文庫)

氣を内へこめるのを「内気」といい、陰にこもるのを「陰気」という。気の出し方が弱いのを「弱気」、気を引っ込めて考えることを「引っ込み思案」、気を引っ込めながらする息を「青色吐息」とか「ため息」というのである。こうなると、やる気を失い、孤独になり、ますますものごとがうまくいかなくなる。 (24p)        <<



相手の心を動かせば、体もそれについていく。これはふだんの生活でも送であろう。力ずくで強制すれば、たいてい、相手に拒絶される。ところが、相手が気持ちのいいように心を導いてあげれば、どんなことでも聞いててくれる。子どもを育てるのも、亭主の操縦もおなじことである。(133p)

気を弱くして、何事も悪く解釈していると、実際にすべてが悪いほうへ転がっていく。
「人間、病をすることはあるが、病気をしてはいけない。体の故障を病といい、気まで病んでしまうことを病気という」
(166p)

人の上に建ったら、決して下の者にわがままをしてはいけない。無理をいってはいけない。つねに相手の意思を尊重し、その人の立場になって考えなければいけない。(188p)

「心と体という、この命を形成しているものの関係は、ちょうど一筋の川の流れのごとく、切れず、離れない。そうして、つねにこの川の流れの、川上は心で、川下は肉体だということに気づいたならば、心というものはどんな場合であろうとも、積極的であらしめなければならんのは当然だ、と気がつくでしょう」《中村天風》(207p)

気の出ている人と出ていない人とでは、大きな違いがある
。(略)気が出るとますます栄え、気が引っ込むとどんどん落ち込んでいく。そうなって当然である。気を出すとは、積極的に生きることだからである。
物体の片側から光を当てれば、その面は明るく、反対の面は暗くなる。明るい面も真実なら、暗い面も真実である。だから、輝かしい人生を歩きたかったら、物事の明るい面を見るようにすることである。
この明るい面を見るようにすることが心を積極的に使うことであり、気を出すことになる。(242〜243p)

マイナスのクセの直し方
寝る前に鏡を見る。鏡なら、大小どんなものでもよい。鏡の中の自分を30〜60秒、じっと見つめる。そして、鏡の中の自分に向かって、「お前は気が出ている」とか、「おまえは意志が強い」などと一言だけ、強い思念をもって命令する。言い終わったら、すぐ寝る。ほかのことはせず、すぐに眠りに入る準備をしてほしい。
目をつぶって自己につぶやく暗示より、これは強力である。鏡に向かって命令すれば、鏡の中の顔はあなたに命令する「命令暗示」となるのである。
ただし、「おまえは気が弱くない」などといってはいけない。弱いという暗示がはいってしまう。これは消極的暗示である。かならず積極的な暗示をかける。また、暗示は一度にひとつしか言ってはいけない。欲張っていくつもいうと、効果は薄くなる。毎晩やることが大切である。一つのクセを直すのに、半年ぐらいはかかると考えてほしい。どんなに悪いクセでも、根気よくつづければ必ず直すことができる。(258-259p)